闇の訪れ
 乱暴にしていいと言ったら、あっさりと断られた。
 「お前さんの望む通りにするんじゃ、意味がないだろう」と、一理あると思う。
 ここは彼に全て委ねてしまうのが正解なのだろう。
 衣服を脱ぎ捨てた自分を、彼は壊れ物のように優しく扱った。
 …快感は、屈辱だ。
 狂いそうなほどの快楽に、このまま痛みなく死れねばいいのにと思ってしまう。
 だがそうしてくれるほど彼が甘い人でないことは、会った瞬間から判っていた。

「お前さんが死んでも、何も変わらんさ」

 変声期の終わりきってない声が、現実と突きつける。
 そうだ、姉さんが死んでも社会は何も変わらなかった。
 …変わったのは、私だけ。

「だが、お前さんが生きて変わるもんはあるかもしれん」

 励ましか、慰めか、それとも希望的観測か。
 それでも今の自分が生きる理由にするには、十分すぎる言葉だ。
 姉さんの為にも、多くの人の為にも、この国を変えたいと思った。

「…また、会えますか?」
「生きてりゃ、きっとな」

 絶望するには人生は短すぎる。
 軋むベッドの上で、1人の男がそれを教えてくれた。

バグの過去捏造。まだ続くはず、たぶん…。




















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