リボンシリーズ
アントニィーアとリボン

昔から、猫にはリボンや鈴をつけるものでしょう?
フラウ・ラーベナルトはそう笑って、山ほどの布とリボンを抱えて部屋へ入っていった。
それから僅か三日ほどで出来たのがこの服だ。
ピンクは今まで殆ど着た事はなかったのだけど、鏡に映る自分はなかなか似合ってるっぽいじゃない。
…でも閣下は嫌がるかもしれないな。
だって、この服の隣に立つのに、閣下はどんな格好していいか分からないでしょうから。
私も正直、困ってるんですよフラウ。
貴方が作るフリル服、これで何着目だと思ってるの?
トリクスとリボン

もっとお洒落も楽しむべきだわ、とベルゲングリューン大将に言われたからという訳じゃないのだけど。
フェルナーからいただいたリボンをつけてみたら、妙に運気がまわってきたみたいで。
デパートに行ったら5万人目のお客様ということで着物一式を貰った。
正直、着方がわからなかったけど最悪売ってしまえばいいかしらと考えていたら、目的の茶葉を取り扱っている店で着付けサービス無料キャンペーンを行っていた。
せっかくだから誰かに見てもらいたいかも…と思っていたら、偶然休暇中の提督に会って“似合ってる”ですって。
…このリボン、毎日つけてた方がいいのかしら?
リーケさんとリボン

久しぶりに買物にでかけた。
街ではどうやらピンクのリボンが流行っているようだけど、三十路を越えた私には…と思う。
なのに行ってみた店の店員は、リボンをごり押ししてきた。
私、見た目よりずっとオバさんなんですよ?
そう思うのに押し切られて試着することに。
似合ってないことはないのかもしれないけど、ちょっと、どうだろう。
試着室を出て、さきほどの店員が笑みを浮かべる。
「お客様、いかがでした?」
この時はじめて、リボン服を着た店員が私より年上であるのに気づいた。
……アリ、なのかなぁ……?
カルラとリボン

フェルナーからリボンをもらった。
ピンク色の可愛いリボンで、トリクスが言うには幸運を呼ぶリボンらしい。
それが本当かはわからないけど、2本貰ったから後でハンナ先輩にもあげなくちゃ。
うまく結べないーとわめていたら、見かねたレマーが結んでくれた。
似合うって聞いたら、ピンクは意外と無難な色なんですよ、ですって。
そこは、似合うって言えばいいのに。
無難なんだから、似合うんでしょう?
ハンナとリボン

カルラから、リボンをもらった。
ピンクのリボンは、三十路越えにはどうかと思う。
困って一緒にいたビューローを見たら、一回くらいつけてやればと。
全く、みんなあのコに甘いんだから!
「…これでいいと思う?」
カルラは大喜びでこう言った。
「これで婚期が訪れますよ!!」
アテバグとリボン

アッテンボローの様子がおかしい。
あのピンクのリボンが届いてからだ。
DMで届いた「恋のリボン」とかいうリボン。
普通のリボンかと思ってうっかりネクタイ代わりに巻いてしまったのだけど。
2本あったから自分もなんとなく手首に巻いていたのだけど。
「中佐……」
手、肩、手、手、あの、あのぅ……んぅっ!?
…恋のリボン、本物かもしんない…
ユリアとリボン

「恋のリボン…?」
名前はうさんくさいけどピンク色が可愛くて、思わずDMの袋からひっぱり出した。
2本はいってるし、シャルロットみたいに左右に結んだら可愛いかもしんない。
試してみたらなんだかテンションが上がってきた。
そうだ、今日の夕飯は提督が好きなアイリッシュシチューにしよう。
…あれ、これ恋のリボンじゃなかったっけ…?
ポプシュナとリボン

キャゼルヌ夫人からリボンをいただいた。
なんでも恋のリボンとかいうらしく私には不要だから、と聞く人が聞いたらちょっと嫌みにもなりそうな言葉と一緒に。
「なになに、今日の髪型かわいーじゃん」
「そう…ですか?」
「うん、な、これから暇?暇にしてよ、俺との予定いれさせて♪」
…これはリボンの効果なんでしょうか?
この人の性質なだけでしょうか?
カタリナとリボン

領主さまの声を取り戻すため、私は旅に出ることにした。
「ムッター、お守りのリボンたくさんつくったからねっ」
「ありがとう、つけてくれる?」
「うんっ」
髪に並ぶたくさんのリボン。
「これってある意味リボンの騎士だわね…」
首をかしげる子供にジェネレーションギャップを感じた。
当たり前といえば、当たり前なんだけど。。。
ギュンテローデとリボン

お仕事ではあるけれど。
女性ですから、パーティの席ではお洒落にしていたいじゃないですか。
なのにイヤリングなくしました。
ドレスと揃いのピンクカルセドニ、高くはないけど気に言っていたのに。
化粧室でがっくりする私の髪に、勝手にリボンをくくりつけて行ったのは銀髪の官房長だったような気がする。
巷で噂の幸運のリボンに似ているような気がして、願掛けしてしまった。
陛下が妙な企画をたてませんように!
ワー<ヴェロニカとリボン

外は紺碧の空、私は1人。
あぁ1人、なぜ1人、どうして1人?
このリボン、幸運のリボンじゃなかったの?
燃やしてやろうかと思った瞬間、けたたましくヴィジフォンが鳴った。
「閣下、どうなされました!?」
「いや息子がな、外で食事するなら卿も一緒がいいと言うものでな」
「5分、いえ、3分で参ります!!」
「いや急がなくていい、迎えにいくから…」
「申し訳ありません!着替えてお待ちしております!」
大神オーディンよ!
貴方よりリボンの方が役に立つ気がしますよ!!!
ミュラユリとリボン

「プレゼントフォーユー」
なれない同盟語で言いながら、彼は大きなテディベアを差し出した。
ピンクのリボンのかかったベアは少し不機嫌そうで、ヤン提督にちょっと似ている。
こんなものをもらう歳ではないんだけどと思う反面、ミュラー提督からの贈り物が嬉しくて、ぼくも心をこめて「ダンケシェン」と言った。
「私よりよほど上手な発音だ」
そう言って笑う彼が、優しくて大好きなのだけど。
この想いがなんなのか、同盟語でもまだ表現できそうにない。
アテバグとリボン

久しぶりに地上にいると天候のこととか忘れてしまっていた事に気づく。
白いシャツは肌寒く、せっかく買った花から花びらがどんどんおさらばしていく。
なんだかさびしい、と姉が選んでくれたリボンもぱたぱたして時々顔にぶつかってくる。
時間をかけてセットした髪もいつものもつれた状態だ。
…まぁいいさ。
大佐に小言を言われながら直してもらうのは、嫌いじゃないから。
オベフェルとリボン

いつの間にかピンクのリボンがブームになっていて。
私が配る前にみんな持っていたりするもんだから。
そしたらもう、新境地を開くしかないなじゃないってことで。
とりあえず閣下に結んでみた。
バカネコなんて言われたけど、なかなか似合うじゃないですか。
そうよね、貴族なんてみんなフリフリだったし。
メンズもありよね?
オベとファーとリボン

どうも街で、ピンクのリボンが流行っているらしい。
「…こーいうイメージなんですかねぇ?」
指に巻き付く赤い糸のつもりで小指を立てる。
その指に彼は髪につけていたピンクのリボンを巻き付けた。
「先輩?」
「何も聞かず処分してくれないか…」
その様子から、リボン現象の原因がどこにあるのかわかってしまった。
「…男から貰ったものを彼女にあげるってどうでしょうね?」
「だから処分しろと言っている」
「だって勿体ないじゃないですか」
「卿に頼んだのが間違いだった」
マティアスとリボン

「また、こんなところに落として…」
司令官閣下は私事になると別人になってしまう。
戦場では恐れ知らずのアマゾネスだと言うのに、地上に戻ると1本のリボンの有無にすら翻弄されてしまうのだ。
「届けてさしあげませんと…」
強い風に持っていかれそうになって、少しだけ慌てて胸に押さえつける。
ふわりと香るチェリーブロッサムは、ベルゲングリューン大将あたりが選んでくださったのだろう。
穏やかな春のような日々が、閣下に続くように祈って。
「閣下の周りには、良い方が集まっているようですね」
それは、私にとっても幸福なことだ。
ビッテンとリボン

「オイゲン、はちまきを知らんか、はちまき!」
「昨日、本番前に洗濯するとか言いませんでしたか?」
「ぬぉぉ、家に忘れてきたぁああ!!」
「何やってるんですか…待っていてください、代わりのものを探してきますから」
5分後。
「…これはリボンではないか…?」
「遠くから見ればわかりゃしません。さぁ、応援団長出番ですよ、運動会の盛り上がりは貴方にかかってますよっ!」
「ぬぅ…征ってくる…」
ビュロベルとリボン

「412年?奮発したわね」
「まぁ、クリスマスだからね」
雑貨店を営む母と祖母の影響か、イベントの類いはけっこう好きなのだ。
用意したテーブルクロスとグラスには、雪の結晶の刺繍やサンドブラストが施されている。
女のようだと言われることもあるが、これは譲れないのだ。
宇宙にいる間はできない楽しみなのだから。
「生きていることを、お祝いしなきゃねぇ」
「1人で飲み干さないでくれよ?」
ワインのボトルに結ばれたリボンをほどく。
よく見れば小さなハートがプリントされている愛らしい柄だ。
「あら、幸福のリボンじゃない。大切しておけば、来年も生き残れるかもね」
「じゃあ、2つに分けようか」
1人で呑むワインは苦いから。そう言うと「そこが女っぽいのよ」と笑われた。
コプ>バグとリボン

今日はクリスマス。
キリスト教なんてすっかり廃れてしまっているが、祭り好きの面々がイベントを見逃すはずがなくイゼルローンはお祭り騒ぎだった。
その中で人一倍浮かれているのがこの男、いやこの雄。
「プレゼントフォーユー♪」
「憲兵呼びますよ」
「憲兵は俺に恩があるからな、何もできん!!」
あんた、最低ですよ。
「さぁ、俺の愛を遠慮なく受け取るがいい!!」
「押し売りは止めてくださいΣ(´□`;)」
誰かこの酔っぱらい(自己陶酔)をしょっぴいて下さいよ。
「貴官のためにわざわざ梱包したんだぞ、見ろこのリボン!!」
「読者に見えないと思ってどこに結んでるんですかー!!!」
ポプランとリボン

「お前さん、何を首から下げてるんだ?」
「ん?んー戦利品ってやつ?」
「なんだ、てっきりそれで殺されかけたのかと思ったぞ」
「あっははーそれはシェーンコップ少将の方でしょう?」
「ふ、俺がそんな細いリボンで死ぬわけないだろう」
「殺されかけたのは否定しないんすか…」
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